さくらん

8歳で売られてきた、きよ葉。逃げ出したり反発したりしながらも、負けん気の強さから、花魁になることを心に誓います。17歳で店に立つと、その美しさは注目を集めますが、その気の強さで、他の遊女たちから嫉妬を買い、もめごとは絶えません。18歳には、日暮と名を改め、玉菊屋一の花魁になります。

きよ葉・日暮を演じる土屋アンナをはじめ、玉菊屋の女将、夏木マリ、主の石橋蓮司、きよ葉が目指す先輩花魁の菅野美穂、嫉妬深い先輩花魁に木村佳乃、等登場人物の個性際立つ演技が素晴らしいです。きよ葉の初めての客との場面や、恋した相手に見せるとろける表情や恋を失うときの必死の姿など、女の心情が赤裸々に描き出され、引き込まれます。

女郎屋での女たちの生活ぶりや女たちのおしゃべりや、女郎屋の雰囲気がわかります。
ありんす言葉や、花魁道中の光景には、知らない世界を垣間見る好奇心が刺激されます。
計算ずくとその底にある真心を、表現しきった主人と女将。

きよ葉が幼い頃から見守っている店番の清次は、言葉少ないながらも大変重要な役どころです。
幼心抜けきらず、かむろたちをかわいがり一緒に生活を楽しむ日暮とかむろの少女の場面もあたたかいものを感じました。

しかしなんといっても、全編に渡って圧巻なのは、色彩と音楽でした。衣装や部屋のしつらい、小道具にいたるまで、過剰に思えるほどの色彩と装飾にあふれ、どの場面も体に刺さるほどの印象を残します。嫉妬深い先輩花魁の壮絶な最期。恋を失うきよ葉の心をえぐる、恋人のうすい笑顔。客をとる最中にきよ葉を挑発する姉花魁粧ひの背中。どれも、色と音楽と共に、強烈に目の奥に焼き付いています。

物語の鍵にある、桜のくだりでは、作られた強烈な色彩から解放され、すっと素直な気持ちにさせられます。日暮と一緒に解放された心に、さくらのやさしいピンク色がふわふわと入ってきます。

目には色彩、耳に音楽、心には物語と演者、心と体全部で、味わいつくすことができる、極上の娯楽作品だと思いました。

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