かぐや姫の物語

田舎の農村で、翁が竹を取りに出かけると、光る竹を見つけます。
不思議に思い竹を割ってみると、小さな女の子が現れました。
女の子を連れて帰った翁が、婆さんに見せると途端に女の子は赤ん坊に変わります。

2人で大切に育てられた女の子は、やがて京へと上がり、かぐや姫と名付けられました。
その美貌からたくさんの位の高い人たちが求婚し続け、その様にうんざりしたかぐや姫は、
無理な注文を相手に課し、それが原因で命を落としてしまうものが現れてしまいました。
深い悲しみと己の愚かさに打ちひしがれたかぐや姫はある時、月に「ここにはいたくない」と懇願してしまいます。

月はその願いを受け入れてしまい、使者が迎えに来るとわかったかぐや姫は激しく後悔します。
しかし、その願いは聞き入れられず、かぐや姫は月へと帰っていくというお話です。

誰もが知っている竹取物語の、かぐや姫にフォーカスした作品です。
しかし、誰もが知っているお話しであるにも関わらず、その印象は大きく違います。

映画は、必要最低限の色と線で描かれており、かぐや姫の気持ちひとつひとつが丁寧にそして激しく表現されています。
3Dという立体的で娯楽的な映画も素敵ですが、平面でありながら立体的な表現ができるのは、高畑勲監督だからできる偉業ではないでしょうか。

まだ小さい頃に、野を駆け回り、幼馴染たちと毎日過ごしているかぐや姫の姿は、
純粋に、生きているもの、自然そのものを愛し受け入れているように思えます。

しかし、やがてさまざまな事から自分を閉じ込め、自然を愛する気持ちを押し殺しながら過ごしてしまい、
本当に大切なものを失ったことに気づかないまま過ごしてしまいます。

悲しいことに、本当に大切なものというのは、失った時に始めてわかるものです。
だからこそ、自分のしたことの愚かさに、かぐや姫は大きく嘆いてしまったのではないでしょうか。

予告編にあった、「かぐや姫の犯した罪と罰」という言葉。
その一番の罪とは、大切なものを見失ってしまったということではないでしょうか。
そして罰というものは、それらを失うことを知るということだと思います。
後戻りが二度と出来ない、後悔するということが大変な罪であると思います。

大切なものは失ってから気づいても遅い。
だからこそ、今を大切に、感謝して過ごすべきだと痛感しました。

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