オカルト

1部映画館で使われている用語に、「ニッチフィルム」というものがあります。

一般向けの映画では満足できない人向けのちょっと特殊な映画、とでもいいましょうか。広義ではホラーなどもそのジャンルに含まれるかもしれませんが、どちらかというともっと低予算のあまり王道ではない映画に使われます。例えばエクソシストなどはちょっとニッチフィルムとは言い難い。

この作品はまごうことなきニッチフィルムです。ジャンルとしてはホラーで、ブレア・ウィッチ・プロジェクトで有名になったフェイクドキュメンタリーの形式をとっています。
犯人が自殺した連続通り魔事件を調べている映画監督の白石晃士(本人)が、あの事件は神が導いたものだという、事件で生き残ったフリーターの江野に取材し、行動を共にするうちに次第に怪しい世界に巻き込まれていく。

というのがお話ですが、話ははっきり言ってどうでも良いです。この作品の一番の見所は、宇野祥平演じるこの江野の怪しげなキャラです。かなり薄毛が進行したこの江野、最初は普通の人物に見えるんですが、監督の事務所にしばらく泊めてもらっても良いか、とか、ギャラはいくらか、とかしつこく絡んだり、おごってもらって酔っ払ったとたん同行の女性アシスタントにろれつの回らない口調で嫌味を言い出す。正直、この作品で1番びっくりしたのは、この居酒屋で江野が豹変するシーンですから。他にもファストフード店で今日の仕事にありつくために携帯を握って待機したり、バイト先のリーダーに細かくグチグチと文句を言われるところとか、ストーリーとあまり関係ないところがむしろ妙なリアリティと生理的な嫌悪感に満ちていて目が離せません。

一応ホラーなので、モンスターというか邪神というか、そんなのも登場しますが、まあこのCGのしょぼさは凄いです。そこらへんのちょっとパソコンに詳しい人がフリーソフトで作ったような出来。ラストにこの世ならぬ異界が出てきますが、これも笑っちゃうレベル。でもこの作品にはこれで良いんです。ヘンにCGの出来が良かったら逆に雰囲気が台無しだった気がします。笑っちゃうといえば、最後の焼き肉屋でのルイボス茶推しはかなりおかしくて、今でもルイボス茶を見るとこの作品を思い出します。

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