嫌われ松子の一生

私の好きな映画は中島哲也監督、中谷美紀主演の「嫌われ松子の一生」です。
この映画は山田宗樹原作の同名「嫌われ松子の一生」が原作となっています。

物語は昭和22年、福岡県大川市に生まれた川尻松子という女性の一生を綴っています。
病弱な妹と二人姉妹で育った松子。父の目は病弱な妹の方に向きがちで松子は小さい時親の気をひくため優等生で父の希望通り国立大学に入学し、地元の中学教師となります。
しかし教え子に財布の窃盗の濡れ衣を着せられ教師を首になることに。
そこから松子の転落人生が始まります。実家を飛び出し小説家くずれの男と同棲し暴力を振るわれながら挙句に自殺され、その後風俗嬢になると薬の売人のヒモ男に騙され殺人を犯し刑務所生活に。
その後も松子を首に追いやった元教え子のヤクザの男と再会しまたも振り回され…
人生に疲れ切った松子は家にひきこもり醜く太り、やがて精神も病み、夜道でオヤジ狩りならぬオバサン狩りにあい撲殺されて一生を終えるのです。

あらすじだけ聞くと救いようもない暗い内容なのですが、映像はまるでディズニー映画のように巧みにCGを取り入れた色鮮やかな世界で松子の果てしなく不器用で救いようもない人生を時にコミカルに、時に感動的に表現しています。
主演の中谷美紀は松子そのものです。
彼女本人も松子に入れこみ、全身全霊で松子を演じきったとインタビューで述べていましたが、彼女が演じた松子は美しく妖艶でとても不器用で愛情深く魅力的です。
決してなりたい人生ではないけれど魂を削って男を愛し生涯を生き抜いた松子の人生はとても眩しく輝いて見えました。

私はこの映画を観て「生きるとは何か」と考えさせられました。
幼い時から親の愛情に飢えていた松子。
大人になっても常に愛情に飢えていて誰かを愛したい、愛されたいと強く望んでいました。
小さい時からの寂しさを埋めることはできず、晩年は「生まれてきてすみません」と部屋に書き殴る日々。
やはり人は愛し愛されることによって自己を肯定し、精神的な安らぎを得られるのでしょう。
この映画を観て身近な子供、家族を大切にしようと改めて思いました。

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