ウォルト・ディズニーの約束

ディズニー映画の名作「メリー・ポピンズ」の制作秘話を描いた映画です。主演俳優にトム・ハンクスとエマ・トンプソンを迎え、「メリー・ポピンズ」をご存じない方にも楽しめる作品となっています。

大人気児童文学作品である「メリー・ポピンズ」を映画化を熱望するディズニー側と交渉するために、イギリスからやってきたトラヴァース。現地のディズニースタッフは彼女を手厚くもてなしますが、その全てにことごとくNGを出す彼女に、次第に雰囲気も険悪なものになっていきます。ウォルトは何とか映画化をするべく、様々な方法を試しますが、ことごとく失敗に終わります。しかし彼女が頑ななまでに映画化を拒み、周囲の人々に心を閉ざすのには大きな理由があったのです。

この映画の現代は「Saving Mr.Banks」となっています。
Mr.Banksとは、銀行員であったトラヴァースの父親のことを指しています。邦題では「ウォルト・ディズニーの約束」となっていますが、この原題こそ映画を見るうえで重要なキーワードになります。トラヴァースがなぜあれほど頑なで偏屈な女性となったのか、幼少期の父親との温かな心の交流から、父が病み、家庭が崩れかかった時にとある女性が現れ・・・この流れが映画製作の流れととてもうまく重ね合わせており、多くの伏線や登場人物にも無駄がありません。

見どころは、トラヴァスがポール・ジアマッティ演じる運転手に初めて心を許すシーンと、クライマックスのディズニーとトラヴァースの対話シーン。少しずつ心を許しはじめたトラヴァースを温かく見守る運転手の様子、トラヴァースに心を寄せ、自身の幼少期の苦労話を目の芝居だけで魅せるトム・ハンクスには圧倒されます。もちろん、若手のクリエイターたちによって生み出される心が弾むミュージカルナンバーや趣向を凝らしたトラヴァースの迎え方など、ディズニーらしい遊び心もたっぷりと感じられます。ラストにはトラヴァース夫人ご本人の肉声テープ(製作中に録音したものと思われる)も聞くことができますが、あながち映画の誇張っぷりは嘘ではなかったのかも、とほんの少し微笑ましさを感じます。

初めはディズニーの作品になぞったコメディ要素の強い映画かと思いましたが、一人ひとりの人間を丁寧に描いた見応えのある作品でした。ディズニーに興味関心がない人にこそ是非見てほしい作品です。

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